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上場企業の経理に転職を考えているものの、「仕事がきつい」という噂を聞いて不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに、上場企業の経理には、決算業務に加えて有価証券報告書等の開示資料作成、監査法人対応といった専門性の高い業務が求められます。
但し、非上場企業との違いを正しく理解しておけば、転職後のギャップを最小限に抑えることが可能です。
本記事では、上場企業の経理の実態を解説するとともに、非上場企業との違いや転職後の後悔を防ぐポイントについてご紹介します。
まずは、「上場企業の経理はきつい」と言われる主な理由について解説します。
上場企業の経理は、四半期ごとの決算や連結決算など、多くの財務報告を求められます。
特に、四半期決算は3カ月ごとに行われるため、年4回の繁忙期が発生するのが特徴です。
また、有価証券報告書や四半期報告書、決算短信の作成など、締め切りに向けた作業が集中するため、時期によっては残業が増えるケースも少なくありません。
非上場企業に比べると、決算に関する業務負担が大きいことで、「きつい」と言う声が多くなっていると考えられます。
上場企業の経理は、非上場企業の経理と比較して、高度な会計基準の理解が求められます。
日本の会計基準だけでなく、国際会計基準(IFRS)や米国会計基準(US GAAP)などを適用する企業もあり、複数の基準での対応を同時期に求められることもあります。
また、配属チームによっては、税務や内部統制、開示資料の作成などのスキルを即戦力レベルで求められるでしょう。
非上場企業と比較すると、業務の専門性が高く、慣れるまでに時間がかかることも多いため、負担を感じる場面が多い傾向にあります。
金融商品取引法に基づき、上場企業は毎年会計監査を受ける義務があります。
監査の前には、監査法人へ提出する資料を準備し、監査期間中は会計処理の説明や修正が必要になりますが、これらの事前準備から対応までも経理の業務範囲です。
また、監査法人とのやり取りでは厳密なチェックが行われるため、細かい調整や確認が求められ、精神的な負担も大きくなるといえるでしょう。
次に、上場企業と非上場企業における経理業務の違いを見ていきましょう。
上場企業は資金調達の手段として株式を利用し、経営基盤が安定しているため、従業員の給与やボーナスも充実している傾向です。
また、決算業務や監査対応など高度な専門性が求められるため、スキルに応じた給与が設定されやすく、昇給の機会も多いと考えられるでしょう。
上場企業では、従業員の働きやすさを重視し、福利厚生が充実している傾向があります。
有給休暇だけでなく、特別休暇やリフレッシュ休暇などの制度が整っているほか、住宅手当や家賃補助、育児・介護支援、企業型確定拠出年金(DC)など、多様な制度が設けられています。
上場企業の多くでは、従業員が自社株を購入できる持株制度を導入しており、効率的な資産形成が可能です。
給与天引きで少額から積み立てができるため、投資に慣れていない人でも無理なく始められることが魅力です。
自社株の価値が上がれば、将来的に大きなリターンを得ることも期待できます。
上場企業は、厳格な財務報告基準を満たす必要があり、四半期決算や連結決算、有価証券報告書の作成、監査対応など、高度な業務を経験できます。
転職時には上場企業の経理経験が強みとなり、他の上場企業や外資系企業、コンサルティングファームなど、より高待遇の企業へステップアップしやすくなるでしょう。
実際に、応募資格として「上場企業の経理経験〇年以上」としている経理求人も多く見受けられます。
難易度の高い選考を突破し、上場企業の経理へ転職できたとしても、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも少なくありません。
ここでは、上場企業の経理への転職において、入社後のミスマッチを最小限にするためのポイントをご紹介します。
上場企業の経理を目指す際には、「なぜ上場企業で働きたいのか」という目的を明確にすることが重要です。
年収アップや安定した環境を求めるのか、専門性の高いスキルを身につけたいのか、将来的なキャリアアップを見据えているのかなど、上場企業で何を実現したいのかによって、応募先企業やポジションが変わります。
ただ漠然と「上場企業だから良い」と考えて転職すると、業務内容や働き方のギャップに後悔することもあります。
上場企業の経理は業務が細分化されているため、ポジションによって担当する業務の範囲が大きく異なります。
転職後に「思っていた仕事と違った…」とならないためにも、募集要項の確認だけでなく、面接で具体的な業務内容についてしっかり質問しましょう。
部門内の人員構成やジョブローテーションの頻度まで掘り下げて質問することで、業務のイメージを持つことができます。
また、将来的にどのようなキャリアパスを描けるのかも企業によって異なるため、自分の成長につながる環境かどうかを見極めることも重要です。
上場企業の経理は非上場企業の経理と比較して、年収や福利厚生が充実しているケースが多いですが、それだけを理由に転職すると後悔する可能性があります。
年収が高い分、業務負担が大きく、ワークライフバランスが取れない場合もあるでしょう。
リモートワークやフレックスタイム制の採用など、働き方改革を進める上場企業も多いですが、必ずその実態を把握することが重要です。
リモートワークの頻度やフレックスタイム制で働く従業員の割合など、面接で細かく質問しましょう。
また、上場企業の経理は専門性の高い一方、担当業務範囲が限定的であるため、「スキルアップを実感しにくい」と感じる人もいます。
年収や待遇だけに気を取られずに、企業文化や働き方も含めて、自分に合った環境かどうかを慎重に見極めましょう。
「上場企業と非上場企業における経理業務の違い」でも解説した通り、非上場企業では幅広い業務対応できるゼネラリストが求められるのに対し、上場企業では担当業務のスペシャリストが求められるため、高度な会計・税務知識が必須です。
また、グローバルに展開する上場企業では、日本の基準だけでなく、国際財務報告基準、米国会計基準など、複数の会計基準に対応できる知識が求められるでしょう。
上場企業では、決算短信、有価証券報告書、四半期報告書、内部統制報告書などの開示資料の作成が義務付けられています。
経理担当者には、これらの資料を正確かつ適切に作成するスキルが求められ、法令や金融庁のガイドラインへの理解も不可欠です。
子会社を持つ上場企業の場合は、連結決算のスキルも求められます。
また、上場企業は外部監査人による監査を受ける義務があります。
そのため、経理担当者は監査人との質疑応答や監査に必要な書類の準備など、監査対応スキルも必要です。
上場企業の経理は、経営陣や各事業部門、監査法人、税理士、証券会社、投資家など、業務を通して様々な人と関わるため、社内外の関係者と円滑に連携できるコミュニケーションスキルが求められます。
役職によっては、各事業部門に業務改善の提案を行う機会や、経営陣に意見を求められる機会もあるため、論理的思考力や交渉力、専門的な内容をわかりやすく説明する能力も不可欠です。
上場企業の経理は、高度な専門知識や実務経験が求められるため、ハイクラス層やエグゼクティブ層をターゲットとした転職サイトを活用すると効率的に求人を探すことができます。
また、ハイクラス転職に特化した転職サイトは、一般的な転職サイトと比較して管理職や専門職向けの高待遇な求人が多く掲載されており、年収アップを狙いやすいのが特徴です。
スカウト機能を活用することで、企業側から直接オファーを受けるチャンスも広がるでしょう。
上場企業の経理求人は人気が高いため、応募が殺到し、書類選考だけでも採用担当者に大きな負担がかかります。
そのため、転職サイトではなく、転職エージェントの「非公開求人」として募集されるケースが増えています。
非公開求人とは、企業が求める条件を求職者が求める条件を双方満たした場合にのみ紹介される求人で、公開範囲を制限し、採用活動を効率化することが可能です。
また、転職エージェントでは、条件を満たした求人の紹介だけでなく、応募書類の添削や面接対策、内定後の条件交渉など、転職活動をトータルサポートしています。
経理の転職であれば、管理部門の転職サポートを専門に行う「MS Agent」を活用するのがおすすめです。
実績豊富なキャリアアドバイザーが在籍しており、効率的に転職活動を進めることができるでしょう。
上場企業の経理は、決算業務の多さや監査対応の負担、専門的な知識の必要性などから「きつい」と感じる場面があるのは事実です。
しかし、その一方で、高い年収水準や充実した福利厚生、スキルアップの機会など、多くのメリットを期待できます。
転職を検討する際は、上場企業と非上場企業の経理の違いを理解し、自分が何を求めて転職するのかを明確にすることが重要です。
効率的な転職活動を実現させたいときには、今回ご紹介した「MS Agent」に相談してみてはいかがでしょうか。
転職を希望する人は無料で利用できるため、初めての方も気軽に利用登録できます。
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